高校進学を機に、故郷の町に帰ってきた「私」―――こと、錦織 葵里(にしきおり きり)。
高校生活にも慣れ始めた初夏の頃、耳に届いた噂話。
「未明の廃神社には、縁切りの神様がいるんだって」
その神社は、故郷海崎町(みさきちょう)の、
私が「あの子」と過ごした廃神社だった。